PROGRAMプログラム
オンライントーク
イベント映画の宣伝術
ATG作品から『時計じかけのオレンジ』などのキューブリック作品、
カナザワ映画祭のタイトルロゴも檜垣氏によるデザインである。
檜垣紀六
1940年、山口県徳山市(現・周南市)生まれ。広告図案士。
1960年、東宝に入社。『七人の侍』のポスターで知られるデザイナー・益川進氏のもとで、黒澤明監督『用心棒』、岡本喜八監督『日本のいちばん長い日』などの宣伝広告デザインに携わる。1962年、植木等主演『ニッポン無責任時代』で一本立ち。以降退社まで、『市民ケーン』『戦艦ポチョムキン』などのATG作品、『続・荒野の用心棒』などのマカロニ・ウエスタン、その他ほとんどの東宝作品のデザインに関わる。
1970年代に入ると、東宝の仕事と並行して洋画メジャー作品も担当するようになり、『燃えよドラゴン』『エクソシスト』『タワーリング・インフェルノ』などの超大作・話題作を手がける。また『ダーティハリー』(1971年)を皮切りに、『許されざる者』(1992年)までのワーナー配給によるクリント・イーストウッド作品のほとんどをデザイン。自作の広告に厳しいことで知られるスタンリー・キューブリック作品も『時計じかけのオレンジ』『フルメタル・ジャケット』ほかを担当。キューブリックからの「英語原題ロゴのデザインに忠実な日本語題字」という難しい要求に見事応えた。
1970年代に入ると、東宝の仕事と並行して洋画メジャー作品も担当するようになり、『燃えよドラゴン』『エクソシスト』『タワーリング・インフェル70年代後半から80年代にかけては『サスペリア』『キャノンボール』『ランボー』などを担当。その型破りなグラフィックは、作品の規模を超える興行価値を生みだし、東宝東和のユニークな宣伝方針を象徴するものとなる。
1987年に独立してからは『ロボコップ』『ダイ・ハード』『バットマン』などの大ヒット作品を手がけ、近年はカナザワ映画祭のアートディレクションや日本の若手監督作品のポスター、映画ソフトのパッケージ・アートなど、その手が休まることはない。
本年(2020年)、デザイナー生活60年を迎える。阿佐ヶ谷美術専門学校 評議員。カナザワ映画祭 ビジュアル・アドバイザー。日本ヘラルドOB会 会員。
坪井篤史
1978年愛知県生まれ。小3の時に映画から啓示を受けて30年過ぎました。映画のために生きる映画狂人。名古屋のミニシアター、シネマスコーレ副支配人。たまに非常勤講師、たまにテレビレギュラー出演。自分の映画狂人ぶりがドキュメンタリー映画になった『劇場版シネマ狂想曲』と初プロデュ ース作品『恋のクレイジーロード』(白石晃士監督/田中俊介主演)が昨年全国公開。配給協力の『恋するけだもの』が今冬全国公開。
映画の生体解剖
今年で10周年を迎えるカナザワ映画祭恒例のトークイベント「映画の生体解剖」。
言語化や理論化不可能な映画の本質についてこの10年語り続けてきたが、
それは書籍「映画の生体解剖」(洋泉社刊絶版、電子書籍でのシリーズはamazonで配信中)に結実してきた。
そんな長年の蓄積を最近の映画状況も含めて二人が語り尽くす。
稲生平太郎
1954年大阪生まれ。作家。著書に幻想小説「アクアリウムの夜」および「アムネジア」、UFO、オカルト論「定本 何かが空を飛んでいる」、高橋洋との対談集 「映画の生体解剖」など。横山茂雄名義の著書としては「聖別された肉体」「異形のテクスト」「神の聖なる天使たち」「死者の饗宴」(訳書)など。
高橋洋
1959年千葉生まれ。脚本作に『女優霊』『リング』『インフェルノ蹂躙』『復讐運命の訪問者』『蛇の道』『発狂する唇』『血を吸う宇宙』『おろち』など。監督作に『ソドムの市』『狂気の海』『恐怖』『旧支配者のキャロル』『霊的ボリシェヴィキ』。著書に『映画の魔』『映画の生体解剖』がある。監督最新作はリモート映画『彼方より』。