人間らしく生きたい! 労働残酷物語
「映画で腹は膨れないが、敵への憎悪をかきたてることはできる」 佐藤満夫
上映作品
『山谷 やられたらやりかえせ』
1985年/日本/110分/カラー/16mm
監督:佐藤満夫・山岡強一
労働者の町 山谷での日雇い労働者と、天皇主義右翼を名乗って労働者を暴力的に支配・統合しようとする暴力団に対する闘いを軸に、日本近代化の中で生み出された差別・支配構造を暴き出したドキュメンタリー。佐藤監督はこの作品の撮影中に、その遺志を継いだ山岡監督はこの作品の完成後に労働者と敵対していた暴力団組員により殺害された。佐藤監督の死とそれに続く反撃の暴動からこの作品が始まる。
「山谷」制作上映委員会 伊藤竜之
『蟹工船』
1953年/日本/110分/モノクロ/35mm ※ニュープリント
監督・脚本・出演:山村聰 原作:小林多喜二 音楽:伊福部昭
大不況期、出稼ぎ労働者たちを乗せた蟹工船は高級カニ缶を作るため、安い賃金で彼らを酷使する地獄の船だった。経営者側の連日の虐待で次々と命を落とす労働者たち。彼らはついに団結し反撃した。原作者小林多喜二は今作を発表後、逮捕。警察署内での苛烈な拷問により惨殺された。享年29歳。