期待の新人監督
授賞結果発表
今年の「期待の新人監督」は応募作品108本の中から
おめでとうございます!
グランプリ
期待の新人監督賞川上さわ監督
『散文、ただしルール』
観客賞
澁谷桂一監督
『ミラキュラスウィークエンド・エセ』
受賞者&審査員コメント
カナザワ映画祭 期待の新人監督2022 <授賞式> 書き起こし
澁谷桂一
観客賞は、観客の方が選んでくれた賞、ということで認識しております。トークの時にも申し上げたのですが、「奇跡的なるものの拒絶」というのが僕の中で考えていたテーマでした。たとえば、僕と俳優さんたちが出会えてミラキュラスが作れたことは奇跡じゃなくて、僕が求めて、俳優さんたちが出たいと思ってくれたから出れた映画です。カナザワ映画祭さんに選んでいただけたのも、僕らが応募して、流していいじゃないかと思っていただけて、お客様が見ようかなと思っていただいて、足を運んでくださって、僕たちも見ていただきたいと思って、それぞれ色んな伸ばされた手同士が繋がったことによって、観客賞をいただけたということは光栄なことと思っております。キャストのみなさま、スタッフのみなさま、ありがとうございます。
坪井篤史
おめでとうございます。今回映画祭で上映されて、今後どうなるか分からない作品ではあると思います。観客賞を獲られたということは、やはり観客のみなさんも見たいと感じる作品だったのではないかと思います。僕も見させていただいた時に、ある種難しい作品ではあるのですが、キャスティングの魅力だったりとか。監督も仰られたように、一人の力だけではなく、皆さんの力で出来上がった作品だ、ということを聞けたことを考えますと、劇場でかけることが出来る作品じゃないかな、と思います。作品の内容というよりも、若い人たちが「こういうタイプの映画があるのか」と映画館で知ってもらえるチャンスを与えることが出来る作品じゃないかなと思うので、次のステップでは劇場公開も視野に入れていただけると良いかと思います。
期待の新人俳優賞
『私は彷徨う』
出演・幡乃美帆
受賞者&審査員コメント
カナザワ映画祭 期待の新人監督2022 <授賞式> 書き起こし
幡野美帆
選んでいただいてありがとうございます。そして見ていただいた方もありがとうございます。すごく好きな脚本だなと思って取り組んだ作品だったので、こんな素敵な賞をいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございました。
高橋洋
『私は彷徨う』は(監督が)知っている人なのですごく審査がやりにくかったのですが。一つの部屋を中心にして撮っている作品で、幡野さん演じるヒロインが首を絞められるところから始まって、そこから息の長いお芝居がある。そんなに広くない部屋で空間を自在にキャメラが前進移動・後退しながら見せていく。その辺はヒロインの魅力を引き出している。もちろん相手役の主人公との距離の関係の変化をも、狭い空間の中で引きだしている。その中で俳優の魅力が際立った、ということで俳優賞ということになりました。
『J005311』
出演・野村一瑛
受賞者&審査員コメント
カナザワ映画祭 期待の新人監督2022 <授賞式> 書き起こし
野村一瑛
はじめまして、野村一瑛と申します。まさかこういう賞をいただけるとは思っていなかったので、すごいビックリしています。本当に河野監督に感謝しています。
武田崇元
(『J005311』は)非常に長い、そしてイライラさせる構図と、無音のまま淡々と時間が流れていく。その中で自殺を思い詰めた、鬱病っぽい人の顔をアップしていく。そしてまた、ぽつぽつと喋りながら、相方のドライバートとの距離というか交流がひしひしと画面から感じられました。おめでとうございます。
受賞者&審査員コメント
カナザワ映画祭 期待の新人監督2022 <授賞式> 書き起こし
川上さわ
はじめまして、川上さわと言います。本当にこんなことになると思わなかったので、動揺しています。はじめて撮った映画で、こんな大きな賞をいただけると思わなくて。大学1年生のとき撮ったんですけど、高校時代に辛いこととかいっぱいあって、いつか上京して大学入って映画撮るんだって、自分の映画を作りたいと思っていたから、こんなことがあるなんて想像していなくて。一緒に作ってくれたみんなも同い年の子ばかりで、みんな経験とかなくて、でもみんなちゃんと同じ方向を向いてくれて、部活みたいと言ったら軽くなってしまうんですけど、部活の絆はすごく強いと思います。私についてきてくれてありがとうございます。見てくださって、選んでくださって、ほんとうにありがとうございます。
稲生平太郎
どうもおめでとうございます。『散文、ただしルール』は初めての監督作品ということですね。冒頭キャシー・アッカーの言葉が出てきたりして、御歳が20歳そこらなのに、90年代の映画という感じがします。まだ若くて一作目だから、当然作品にはご本人の意識されている部分も、ない部分も含めて欠点等いろいろとあるでしょうけど、審査員一同としてはあなたの持たれているポテンシャル、秘められているかもしれないアイデアを発揮してもらいたいということで、グランプリに決定いたしました。